本来自転車というのは「疲れずに自力で遠くまで行く」ために発明された乗り物です。もちろん100kmも200kmも走れば誰だって疲れます。でも、人によっては30km走っただけで息が上がってしまう事も。今回はそんな人たちのために、疲れない走り方について取り上げます。

①疲れない最重要ポイントは「ケイデンス」を一定に保つこと

「ケイデンス」とは1分間のペダルの回転数を表す言葉です。ケイデンス100といえば1分間に100回転。ケイデンス30といえば1分間に30回転です。

筋肉というのは力を入れている時間が長ければ長いほど疲労します。これは毎秒1回のスクワットを100回行うのと、30秒間空気イスを続けるのを比べれば分かると思います。力を入れる時間の合計はそれほど差がありませんが、空気イスは30秒間力を入れっぱなし。この方が疲れるはずです。

ケイデンス30で脚を回すのとケイデンス70で回すのでは、力を入れている時間が長くなる30の方が疲れます。ただ、例えば150というように上げすぎてしまっても、今度は1回転で進む距離が短くなって、結果的に疲れてしまいます。個人差や好みはありますが、70くらいにしておくのが一番効率的なようです。

②ケイデンスは「シフトチェンジ」で一定に保つ

上り下りが激しいコースでケイデンスを一定に保つのは難しい事です。

そこで意識したいのがシフトチェンジ。スポーツ車にはたくさんのギヤが付いています。ギヤを重くすればスピードが出るし、軽くすればスピードは落ちます。映画でも一気に「逃げ」に出たりするときにギヤを重くする描写がありますね?でも疲れない走り方的には、これは間違い。

ロードレースを見ていると、選手たちは常にシフトをカチャカチャと操作しています。理由は路面に合わせてシフトチェンジすることでケイデンスを一定に保つため。スピードを上げるためにギヤを重くするのではなく、スピードが乗ってきて必要以上にケイデンスが上がってしまうからギヤを重くしているんです。こちらが本来の使い方。

上り坂に入ると、ペダルが重くなってケイデンスを維持できなくなります。その時は維持するためにギヤを落とす。逆に下り坂ではペダルがスカスカになる。今度はギヤを上げてケイデンスを維持します。

こうしてケイデンスを一定に保つことで力を入れている時間が一定に保たれ、リズムも生まれます。これが疲れない走り方の一番のポイントです。

③ペダルは「母子球」で踏む

ケイデンスが大切なのはもう理解できたと思いますが、もう一つ意識したいこと。それはペダルに置く足の位置。

ママチャリが身体の前で大腿部を上下する運動でペダルを回すのに対し、スポーツ車は、股関節を中心に足を突き出す運動でペダルを回すためふくらはぎの筋肉も使います。

ふくらはぎに仕事を託すことで全てを大腿部で賄わなくてすむため、ママチャリよりラクに長距離を走ることができるわけですが、この機能を活かすためには、ふくらはぎの筋肉がつながっているアキレス腱を「バネ」として使える状態にしておく必要があります。そうすることで大腿部だけはなく、脚全体をエンジンとして使う事ができます。

このとき土踏まずがペダルに乗っていると「バネ」が伸びた状態で固定されてしまい、うまく力が入りません。そのため、土踏まずではなく母子球(親指の付け根)をペダルに置きます。

ためしにつま先立ちしてみて下さい。そうするとふくらはぎの筋肉が働いているのが分かると思います。これをペダリングに使うわけです。

いかがでしょうか。この3点に意識を向けて脚を回すと、驚くほどラクに長距離を走ることができますよ!