google mapのストリートビューを使って、走るコースは決まりました。道が決まると、一気に自転車旅行が現実味を帯びてきて「あのゲキ坂はどうクリアしようか」「あの海岸からの眺めはいいだろうな」など、色々考えて楽しくなってくるもの。

しかし、ここでちょっと立ち止まって考えなければならないことがあります。それは「1日に何km走れるか」ということ。昼夜を問わずただ闇雲に走れるところまで走る、というのも若さがあっていいことですが、今回はもう少し現実的に、一日の走行予定距離の決め方について考えてみましょう。

スピードメーターを装備しているならば、例えば走行中にメーターを見て「あぁ、いま時速32kmかぁ」というように思う瞬間は誰にでもあるのではないでしょうか?またメーターがなかったとしても、追い越していく自動車と比べて「時速30kmくらい余裕っショ!」という瞬間は、誰にでもあるものです。

でも、そこに落とし穴があります。

レースで走っている、もしくは専用の自転車道を誰にもジャマされずに走っている、そういった状況でもない限り、平均時速30kmをキープすることは至難の業です。

都市部の道路には至るところに信号があります。地方の山村には平坦な道はほとんどありません。また、あなたの前にフラフラと現れるママチャリダーは日本全国どこにでもいます。

そういった道路事情を考えると、メーターを見た瞬間は快調に飛ばせているように見えても、「平均」を取ればせいぜい時速10km~15kmだったりすることが決して珍しくありません。

さらに言えば、観光や天候の変化、マシントラブルといった「足を止める」要素はいくらでもあります。それを考え始めると、1時間に走ることができる距離は10km程度に見積もっておいたほうが現実的です。

ここでちょっと、いささか「あまりにも」な例ですが、簡単なシミュレーションしてみましょう。

<朝>

7時に起床したが、朝食をとって走る準備ができたらすでに9時。時速20kmで10時間走る予定だったが、8時間で頑張ると心に誓う。

<午前11時>

有名なパワースポットになっているというお城を見て回る。気がつけば、済し崩しにお昼をかねて2時間近くの大休憩。

<午後2時>

再び走り出すも、暑さと断続的なアップダウンのために消耗して思うように進まず。コンビ二を見つけるたびに小休憩。

<午後6時>

予定の半分ほど走ったところで日没。ホテルに遅くなる旨を連絡してナイトランを覚悟。

自転車旅行では、このようなことが至るところで起こり得ます。天候は決して悪くなく、マシントラブルも起こらない、そんな状況であってもです。

この現実を考えると、1日に走ることができる時間というのは、自ずと決まってきます。特に初心者が宿泊を伴う自転車旅行をするときは、平均時速10kmで多くても10時間。つまり1日100kmまで、くらいに考えておきましょう。

1日の走行予定が100kmであれば、多少後れてもリカバリーが利きます。70km走ったところで日が暮れてしまっても、残りは30km。余計なことをしなければ目標まで辿り着ける距離です。もちろんそうなると、翌日のスケジュールは要検討ですが……。

とはいえ、抜かれたと思ったら数十秒であなたをチギッていくような超速ライダーを目の当たりにしてしまうと、うらやましいやら悔しいやら……。ついついムリな目標を立ててしまいがちです。

でも彼らは、たとえばレースのためのトレーニングなど、あなたとは違う目的で走っているんです。せっかくの自転車旅行なんですから、現実的な目標を立てて、楽しみながら走りたいものです。