明日も気持ちよく走るために!自分でできるボディメンテナンス法

一日走り終えると、その達成感や疲労、また目的地まで辿り着けた安心感からついつい怠ってしまうボディメンテナンス。でもこれを怠ると翌日自転車にまたがった瞬間に脚に激痛が走ったり、走り始めてすぐに筋肉疲労でバテてしまったりとロクなことになりません。

明日もベストなコンディションで走り出すために、今日一日頑張った身体の労わり方をご紹介します。

一番先にしなければならないことは「脚から疲労物質を抜く」作業です。具体的にはマッサージ。特にペダリングで一番酷使されるふくらはぎと腿の筋肉は、たくさんの乳酸(疲労物質)をため込んでいます。宿泊場所に着いたら、なるべく早くケアしてあげましょう。

方法は脚のむくみを取るリンパマッサージの方法とほぼ同じで、簡単です。クリームを塗ったら、親指と人差し指を使って筋肉を挟み、その方向に合わせて揉みほぐしていきます。

乳酸を分解させるためになるべくそれを太い血管に送ってしまいたいので、末端(足の裏)から始めて徐々に体幹の方へ。慌ててやっても効果は薄いため、2~30分かけるつもりでじっくりと。これがポイント!

ひと通りマッサージが済んだら、続いてストレッチなど軽い運動をします。腱や筋をよく伸ばしておくことで翌日の凝りを減らせます。

次は入浴中に行うボディメンテナンス。「温冷浴」という方法です。

まず末端(手足)に冷水をかけて冷やします。芯まで冷えてきたら今度はちょっと熱めのお湯に浸かります。汗ばむ程度に温まったら、また冷やす。これを数回繰り返します。その度に血管が収縮・拡張を繰り返すため、ポンプの働きで血行がよくなり、細胞組織に溜まっていた乳酸が血液内に流れていきます。

ホテルのユニットバスでもできなくはないですが、面倒な場合は、湯船に浸かる代わりにシャワーを使うとラクにできます。ちなみに最後は「冷やす」で終わらせること。汗も引いてスッキリしますし、むくみの防止にも役立ちます。

最後は疲労を軽減するために摂りたい「食品」です。せっかくの旅行だから美味しい物を食べたい。もちろんそれはオッケーです。美味しい食事に一品プラスするつもりで考えて下さい。

疲労回復に一番効果があると言われているのは「クエン酸」。乳酸を分解する働きを持っています。

食品の酸味は、ほとんどがこのクエン酸によるもので、梅干しやレモン、お酢のほか、果物やジュースの中にもたくさん含まれています。世の中には走っている最中に梅干しを舐めているライダーもいるくらいです。そのくらいクエン酸は積極的に摂っておきたい食品です。

もう一つ摂っておきたいのが「タンパク質」。傷んだ筋肉組織の修復を助けます。積極的に食べようとしなくても口に入りやすい物ですが、意識的に摂っておいて損はありません。

糖質(炭水化物)については意見が分かれるところです。走り終えた直後に糖質を摂ると疲労が溜まらないという話はありますが、自転車旅行は基本的に糖質や電解質(ミネラル)を常に補給しながら行うため、ムリに摂ろうとしなくても身体に入ってきます。

また、摂取してもすぐに使わない場合は燃えづらい脂肪として蓄えられてしまうので、摂るならば翌日の朝食でと考えた方がベターです。

いかがだったでしょうか。今日の疲れを残さないこと、これが明日もまた楽しく走れるための一番のクスリです。

最後にアルコールについて少しだけお話ししておきます。一日に100kmも走ったら、その後はキリッと冷えたビールを、というのは誰でも考えつくもの。しかし、アルコールは利尿作用が高く飲んだ以上の水分や塩分を排出してしまいます。「ほろ酔いかな?」くらいに留めておきましょう。