チャリのことはチャリ屋に聞け!自転車屋さんを有効活用しよう

普段のメンテナンスや修理をあなたはどこで行っていますか?

最近は量販店やホームセンターなど色々なところで販売・修理を行っていますが、ぜひ「行きつけ」の自転車屋さんを見つけておきたいものです。毎回同じ人が整備をしてくれる安心感、というのが一番の理由ですが、他にもメリットはたくさんあります。

今回は一旦自転車旅行を脇に置いておいて、行きつけの自転車屋さんのを見付けるメリットについてのお話です。

①行きつけの自転車屋さん=あなたの自転車を一番よく知っている人

例えばシフトワイヤーの動きがシブくて調整したい時。毎回違うお店に行っている場合、前回そのワイヤーを誰がどう調整したのか、ショップの人は知りません。結果「とりあえず使える状態にする」という調整になります。手っ取り早くワイヤー交換です。

しかし前回も同じ人が調整したならば、その経験から「○ヶ月前に換えたばかりなのにもうシブいのはおかしいな……」といったアプローチが可能になります。おかしいから単に交換するのではなく、あなたの自転車に合わせた「本当の原因」を探ることも可能になるわけです。

②行きつけの自転車屋さん=あなた自身をよく知っている人

あなたの自転車の使い方や走行距離、また乗り方のクセなどは自転車屋さんとの会話の端々に現れます。そして自転車屋さんはあなたの言葉を覚えています。

例えばあなたが重いギヤをガシガシ踏むパワー型のライダーだということを自転車屋さんが知っていれば、脚を故障しない適切なペダリングのアドバイスやハードな使用に耐えるパーツを紹介してくれるかもしれません。

また、乗り方に合わせた効率的なセッティングやポジションも見てもらえるかもしれません。セッティングについては特に、あなたのことを知っている人のアドバイスは貴重です。

③行きつけの自転車屋さん=メンテナンス・修理の先生

初めて入ったショップで、店員さんが他の人の自転車を修理しているのをジッと見て勉強するのは、とても勇気が要ります。でも、行きつけの自転車屋さんなら「これ、何の修理してるんですか?」と聞くことができます。

パンク修理一つをとっても、ネットで調べたレベルの知識と、目の前で修理している「実物」を何本も見たレベルの知識では全く違います。例えば「ゴム糊が乾いてきたら」と文章で説明されても、どの程度の乾き具合なのかは、実物を見てみないと分かりませんね?

④行きつけの自転車屋さん=自転車旅行の先輩

自分でショップを経営しているような人は、大抵、自分自身が自転車旅行をした経験を持っています。その経験からもらえるアドバイスは大変貴重です。

また、現役で自転車旅行(に限らず旅行自体を)を楽しんでいる人であれば、道路状況や交通量についての知識も持っているもの。「国道○○号で行きたいんですよ」と言った瞬間に「そこ自転車進入禁止だよ。並走する県道□□号の方が車少なくて安全!」という言葉が出てくるかもしれません。

このように「行きつけ」の自転車屋さんがいるのはとてもメリットが大きいことです。なるべく整備や修理をそういった信頼できる自転車屋さんで固定して、有効活用していきたいものです。

ただ、全ての自転車屋さんがこのような人になるというわけではありません。量販店やホームセンターの場合「自転車店」ではないため、自転車整備士の資格を持っていなくても販売ブースで仕事をすることはできるし、個人経営の自転車屋さんでも、あなたと性格や考えが合わないこともあり得ます。

だからこそ信頼できる、自転車屋さんを見つけることが大切です。今回の自転車旅行へのアドバイスもきっともらえますよ!

見すぎに注意!GPS・ケータイナビの活用術

自転車旅行では、初めて走る不案内な場所が多いため、ルートをロストすることがよくあります。過去に走ったことがある皆さんも一度や二度は経験があるのではないでしょうか?

あのとき、誰かが道を教えてくれたら……。特に脚に自信のある超速ライダーほど、道を間違えていることに気付かずにガッツリ走ってしまった結果、1ヶ所のルートミスのせいで何kmも戻るハメになってしまったり。

「あれ?、おかしいな」と思った時に現在地や目的地までのルートを確認できたら、こんなありがたい事はありません。今回は、そんなトラブルに役立つケータイナビについてご紹介します。

①ケータイナビは周辺情報表示機能が魅力!

自転車で移動しているときに必要な情報はたくさんありますが、ルートナビ機能は当然として、案外必要なのが「周辺情報」の表示機能。「スポークが折れた!」というときの自転車屋さん情報や「ちょっと買い物したいけれど駐輪場がない……」というときの駐輪場情報などを表示することができます。

また、突然の雨で雨宿りしたければカフェの情報、予約したホテルの場所がよく分からなければホテルの情報など、欲しい情報が簡単に手に入れられます。

②天気予報システムもありがたい!

天気予報のアプリは多数ありますが、ほとんどのケータイナビはこの機能もサポートしています。でも、自転車乗りにとっては「今の天気」よりも「1時間後の天気」。大丈夫です、バッチリ対応しています!

③GPSとのデータリンクや走行記録も可能!

GPSとデータリンクすることで、走行距離や平均速度、消費カロリーなどをリアルタイムで表示することができます。また、データの記録も可能なので、一日ごとの走行記録を貯めたり、積算走行距離を記録したりすることも可能です。

このようにたくさんの機能を備えたケータイナビのアプリですが、ルートナビや音声案内の他、アプリごとにそれぞれ特徴や強みがあります。ぜひ、出発前にいくつか試してみて、一番自分の走行スタイルに合いそうなものを見つけましょう!

いかがでしょうか?ところで、こんなありがたいケータイナビですが、使い方には注意が必要です。

一番の注意は、走行中の操作はもちろん、画面をジッと見過ぎないこと。人間の視野、とりわけ「有効視野」、つまり「何が映っているか認識・判断して情報として活用できる視野」は案外狭く、視野全体の半分にもなりません。

そのため自転車に限らず、どんなことをするときも、私たちは常に眼球を動かし続けています。そうしないと、見えてはいてもそれが何のか分からないからです。

ナビを走行中にジッと見てしまうというのは、その眼球の動きを止めてしまうことになります。そのため、自動車や赤信号など、あなたにとって危険なものが迫っていても気付かなくなってしまいます。自動車でよく言う「脇見運転」です。

ふと顔を上げたときにはすでに手遅れ……、こんなことを防ぐため、走行中は音声案内機能などを使って、あまり画面に見入ってしまわないように気を付けましょう。

もう一つの注意は、ナビの入っているスマホは必ずハンドルに固定すること。ここで言う「固定」というのは、専用のクランプとストラップで「落ちないようにしておくこと」です。

特にハンドルというのは車体の前の方にあり、落としてしまうと、最悪の場合後輪で轢いてしまったりして、アプリはおろかスマホ本体をオシャカにしてしまいかねません。装備全般に言えることですが、うっかり落とさない様に気を付けましょう。

車載動画で自分の足跡を記録に残そう!

自転車旅行から無事に帰ってくると、旅の間の出来事を誰かに伝えたくなるもの。でも、百聞は一見にしかず。たくさんの言葉で説明するより、道中に撮り貯めた動画を見てもらうのが、楽しさは一番伝わります。

今回はそんな、意外にカンタンにできる車載動画の撮り方についてのご紹介です。

①動画撮影用のカメラを用意しよう!

最近はSONYのHDRシリーズやWoodmanLabsのGoProシリーズなど、アクションカムといって、車載動画を撮れる小型カメラが手に入れやすいお値段で買えるようになってきました。テレビのバラエティ番組でも出演者の顔を撮影するのに使われていますね?

その名のとおり、動きがあることを前提に開発されているので、軽量で手ブレ補正もバッチリ!また、広角レンズの採用でその場にいるかのような臨場感溢れる映像を撮ることが可能です。ぜひ、家電量販店などで実物を手に取ってみて下さい。

特にHDRシリーズはハンドルバーマウントからドッグマウント(犬の背中にカメラを乗せる雲台)まで、幅広い撮影シーンに対応していますが、どのカメラを選んでも、雲台でマウント(取り付け)できれば撮影は可能です。

②カメラのマウント位置を決める

カメラを手に入れたら、さっそくマウント位置を決めましょう!カメラアングルによって撮れる映像は全く違います。ぜひあなた自身で試してみてほしいのですが、方向性を決める参考に、いくつか例を挙げてみます。

・ハンドルバーにマウント

ハンドルバーマウントを使ってハンドルにカメラを固定するパターン。ハンドルが動くたびに画像が左右に振れますが、常に自転車の進む方をカメラが向いているため、ブレの少ないシンプルな映像になります。

・トップチューブorシートポストにマウント

同じくハンドルバーマウントを使用。画面の真ん中にハンドル、両サイドに脚が映り、シフト操作や脚の動きがよく分かります。こちらも同じく、ブレの少ないシンプルな映像になりますが、景色を撮りたい時はハンドルや脚が邪魔になることも……。

・ヘルメットにマウント

ヘルメット用マウントを使ってカメラを固定。頭を動かせば連動してカメラも動きます。ショックを吸収する腕の伸縮などが全て反映されるため一番動きのある映像に。ただ、軽量とはいえマウントを含めた機材全体で200gほどあるため、位置によっては重量バランスが悪くなることも……。

マウント位置にルールはありません。取り付けて試し撮りして、映像を確認してまた位置を変えて……。一番お気に入りの画が取れるポジションを探してみましょう。

ただし、フロントフォークなどあまり低い位置にマウントすることはお勧めしません。視点が低くなる分スピード感溢れる映像になりますが、タイヤが跳ね上げた小石が当たることもあるし、盗撮と勘違いされるのも面倒です。

③予備のバッテリーとメモリを用意

カメラの録画設定にもよりますが、高画質にすればするほど、消費電力も記録容量も増えていきます。せっかくのシーンを撮り逃さないために、休憩の際には残量を確認して、適宜交換しましょう。

どうでしょう?たったこれだけのことで、車載動画の撮影はできてしまいます。しかも映像があると旅の楽しさを鮮明に思い出せるし、人にも伝えやすい。ぜひ、カンタンにできる車載動画撮影をあなたも楽しんでください!

おしまいに、1点だけ注意事項をお伝えしておきます。

雲台(マウント)はカメラをネジで固定しています。気づかないうちにネジが緩んで、カメラが脱落することがあります。せっかくのカメラをオシャカにしないために、必ずキーチェーンやストラップで脱落防止処置をしておきましょう!

持ってて安心!自転車旅行に必要な救急用具

自転車旅行であなたが一番心配していることはなんでしょうか?

体力が持つかな……、バイクが壊れないかな……、など色々あると思いますが、一番は落車などによるケガではないでしょうか?

とはいえ、荷物はなるべく少なくしておきたいもの。ここでは優先度の高い順に、必要最低限で用意できる救急用具についてお話しします。

①必要度100%の救急用具

細かい説明は後にして、まずはリストを見て下さい。最低限、これだけあれば数日の自転車旅行でのケガは対処できます。

・日焼け止め
・水
・三角巾
・絆創膏
・健康保険証(コピー可)

意外かもしれませんが、一番使用頻度が高いのは日焼け止め。個人差はありますが、日常的に肌を焼いていない人の場合、走行10分で焼けはじめ2時間で水泡が、といった事態も起こります。特に海水浴などで赤く日焼けする人は要注意。曇り空であっても日焼けすることがあります。小まめに塗りましょう。

擦り傷や切り傷が化膿してしまうのはほとんどの場合、洗浄不足が原因。とはいえ、落車した場所にきれいな水があることは殆どありません。最低でもペットボトル1本分500mlの水は、バックパックに入れて常に携帯しましょう。

三角巾が包帯の代わりになるのは言うに及ばず、「布」が必要になる、ありとあらゆるシーンで重宝します。身体に巻けば日除けにも防寒にもなり本当に便利です。なお、三角巾の巻き方は日本赤十字社のホームページに動画がありますから、ぜひ参考にしてください。

使い慣れたシューズを履いていれば、旅行中にクツ擦れが起こることはめったにありません。絆創膏の用途は傷の保護ですが、一番ありがたいのは大抵のものに貼り付く粘着性があること。自転車にメモを貼ったり三角巾や包帯の端を留めたり、工夫次第で用途はとても広がります。防水タイプが特にオススメ!

最後に健康保険証。普段から財布に入れてあれば問題ありませんが、意外と忘れているものです。もちろんその場での支払いは10割負担ですから、ちょっとしたケガでも結構な金額になってしまいます。後日提出すれば7割返ってくるという情報もありますが、全てではないようですし病院に行くのは面倒です。

②できれば持っておきたいもの

・消炎鎮痛ジェル
・冷感湿布

宿泊場所について誰もが必ずすることは、翌日に向けた「今日の疲れを抜く作業」です。マッサージ用のジェルやクリームを持っていくことも可能ですが、日焼けしたりしていると痛くて思うように捗りません。

そんな時に重宝するのが消炎鎮痛剤のジェル。塗るとヒンヤリして助かります

。ただし、ものによっては血管を収縮させる作用もあるので、乳酸を抜くためのストレッチやマッサージはシャワーを浴びる時に、水の滑りを利用して行っておきましょう。

消炎鎮痛ジェルの効果は1時間程度でなくなってきます。「そろそろ切れて来たな」と思ったら湿布を貼っておきます。効果は一晩ほど続きますから、翌朝が思った以上にラクです。

いかがでしょうか?最低限の救急用具でも使い方次第で何役もこなすことができるんです。

また、救急用具でなくてもその代用ができることは多々あります。例えばメモに使うつもりだったノート。「これは折れたかも……」というときにはクルクル丸めて添え木の代わりにしたり……。

装備全体を見回して「こんなケガをしたらこれが使えるかな」とシミュレーションしておくと、イザと言うときに役立ちます。

逆に消毒薬やキズ薬などは不要です。消毒薬の効果は持って一時間、キズ薬は医者にかかった際、むしろ処置のジャマになることもあるからです。それよりはしっかり洗って三角巾を当てて病院に行く。その方が賢明です。

あのピチピチパンツじゃなきゃダメ?自転車旅行の服装について

流線型のヘルメットにゴーグル。ピタッとしたレーシングジャージ。カッコいいですね!憧れです!でもレーシングジャージは、いかにもな感じで目立つし、初心者にはちょっとハードルが高いもの……。今回は、自転車旅行の服装について考えてみましょう。

結論から言ってしまうと、自転車旅行の服装は何だっていいんです。警察に呼び止められてしまうような格好は問題ですが、あなたは自転車で道を走るだけ、どんな格好でもまず迷惑になることはありません。

とはいえ、長距離を走るのに向いている格好というのはあります。そこで、あの超速ライダーたちがなぜレーシングジャージに身を包んでいるのかを考えてみましょう。あのジャージを参考にすれば、自然に「ふさわしい格好」は見えてきます。

①機能面をチェック

あのピチピチパンツ、通称「レーパン」は、股間部分に厚さ1cmほどのジェルやウレタンのパッドが縫い付けてあります。特にタイヤの細いロードレーサーで走る場合、50kmも走れば衝撃でお尻が痛くなるものですが、パッドがあるお陰で衝撃が吸収され、あまり痛くなりません。

また、メッシュ素材を多用することで通気性・放熱性がよく、雨や汗で濡れても、夏場であれば10分ほどで乾いてしまいます。歩行者が汗ダクになる季節でも、レーシングジャージで走ると涼しいくらいです。

②デザイン性をチェック

時速30kmほどで走れば、普通の衣類はほぼ確実にバタつきますが、身体に密着したレーシングジャージはバタつきません。また、前傾姿勢をとることを前提に作られているので、背中側の丈が長くなっており、ロードレーサーに乗っても背中が出ることはありません。

また、レーパンにはポケットがありませんが、ジャージは背中側に2~4つのポケットがついています。元はレース中、チームメイトに配るボトル(水筒)を入れるためのものですが、小銭入れやカロリーメイトなどの軽食といった、小物を入れることができます。

これらの点をまとめてみると、お尻が痛くなりにくくて、通気性・放熱性がよく、なるべくバタつかない、ちょっとした小物が入れられる服、ということになります。この条件が整えば、何だっていいんです。

でも、お尻の痛くならない、というのは難しいですよね?じゃぁやっぱりレーパン買うしか……、と思ったそこのあなた、ちょっと待った!

実は、あんな派手なレーパンを買わなくても、ちょっと大きめの自転車屋さんに行けば「インナーパンツ」という商品が売っているはずです。これは下着の代わりに履くだけで、レーパンと同じパッドの効果が得られるという優れもの。

メーカーによって多少呼び名に違いがありますが自転車屋さんに「パッドの入った下着が欲しい」と言えば紹介してもらえるはず。もちろん、流行の七分丈ズボンやジャージといった「普通の」服を上に履くことが可能で、観光地やコンビ二などへも違和感なく入ることができます。

また、最近ではピタッと張り付かないサイクルウエアもたくさん売り出されています。機能性はそのままに、デザインはオシャレなものもたくさんあります。女性用では、スカートのようなフリルが付いたレーパンもあるとか。

安全のためのヘルメットとゴーグル、グローブは必要です。でも着るものについては、これといったルールはありません。あなたの個性で、好きに選びましょう!

どこに泊まったらいいの?宿泊場所の選び方

日帰り旅行でない限り「宿泊する」というイベントが発生します。旅行の半分は宿泊ですから、どこに泊まるかは大事です。自転車旅行の場合、どのようなところに泊まるのがいいのでしょうか?今回は、宿泊場所の選び方について取り上げてみたいと思います。

時期によっては「気合いで野宿」でも構わないのですが、宿を取ってしまうのが一番安全・安心です。電源や灯りが確保でき、暑い寒いを考える必要も、夜中に怖い人に絡まれる心配もないからです。

一口に宿と言っても、カプセルホテルからリゾートホテルまで、色々な種類のホテルがあります。そんな数ある宿の中で、一番のオススメは「素泊まりのできる、小さな」ビジネスホテル。上手く探せば1泊4,000円程度で泊まることができます。

この「素泊まりのできる」というのが一番のポイントで、食事付きになるとチェックインが一定の時間に制限されます。走り慣れないところを延々走っているわけですから「○時~□時の間に」と言われてもなかなか思うようにはいきません。

また食事付きでは食べるものを選ぶことができません。翌日快適に走るためにはそれなりの食事を考える必要があります。用意しなくても出してもらえるなら、それはそれでありがたいのですが、量も質も選べません。そのため「素泊まりのできる」というところが大きなポイントになります。

もう一つは「小さな」ホテルであるということ。宿泊客の多いホテルに、汗や砂にまみれた姿で入っていくのは勇気が要りますし、他のお客さんとの兼ね合いから、夜間の外出などは融通が利きません。ペンションのように多くても数組、というレベルのホテルがあれば一番です。

「近くにコンビニや飲食店があること」もチェックしましょう。素泊まり可能な小さいビジネスホテルは見つけた。でもコンビニまで3km……。地方に行くと意外とありがちな話です。

一日の行動をSNSに投稿したり、ボディメンテナンスしたりなど、宿泊先でしたい事はたくさんあります。何より、せっかく休むつもりで自転車を降りたのに、わざわざ3kmも走るなんて……。

宿選びの話の最後に、予約のタイミングについて。出発前の予行演習などで走れる距離の見通しが立てば、事前に予約してしまいたいもの。当日の連絡では予約が取れないリスクがあるし、休憩中にホテルに電話していては休めません。

とはいえ自転車旅行では、不意なメカトラブルなどで予定が狂う事が多々あります。辿り着けなければキャンセル料も発生してきます。それくらいは必要経費として、頭の中に入れておきましょう。

続いて「野宿」を選ぶパターンです。野宿をする上で気を付けなければならないことについて少しお話しします。キャンプするのと同様に、場所をわきまえないと、予想外のトラブルが起きます。幾つか起こり得る例を挙げてみましょう。

駅前のベンチ……酔っ払いに絡まれる 蛾が集まって眠れない
広い駐車場………駐車に来た自動車に轢かれそうになる、驚かれる
川原・橋の下……天候悪化による増水の危険

他の場所でも同様のことは起こり得ます。迷惑をかけずに一晩休めるとすれば……、神社の境内などでしょうか。夜になれば訪れる人も少なく、ベンチがあれば地面から離れた所で眠れます。ただし、無許可でテントを張ったり調理したりといった行為は厳禁です。

もちろん電気や冷暖房もないし、寝ている間に装備が盗まれても一晩じゅう蚊と格闘することになっても、全て自己責任です。正直なところ、あまりお勧めはしませんが、どうしてもという場合はお世話になってみてもいいかもしれません。もちろん翌朝はキレイに片付け、お礼も兼ねてお賽銭を忘れずに!

あなたは1日何km走れますか?一日の走行予定距離の決め方

google mapのストリートビューを使って、走るコースは決まりました。道が決まると、一気に自転車旅行が現実味を帯びてきて「あのゲキ坂はどうクリアしようか」「あの海岸からの眺めはいいだろうな」など、色々考えて楽しくなってくるもの。

しかし、ここでちょっと立ち止まって考えなければならないことがあります。それは「1日に何km走れるか」ということ。昼夜を問わずただ闇雲に走れるところまで走る、というのも若さがあっていいことですが、今回はもう少し現実的に、一日の走行予定距離の決め方について考えてみましょう。

スピードメーターを装備しているならば、例えば走行中にメーターを見て「あぁ、いま時速32kmかぁ」というように思う瞬間は誰にでもあるのではないでしょうか?またメーターがなかったとしても、追い越していく自動車と比べて「時速30kmくらい余裕っショ!」という瞬間は、誰にでもあるものです。

でも、そこに落とし穴があります。

レースで走っている、もしくは専用の自転車道を誰にもジャマされずに走っている、そういった状況でもない限り、平均時速30kmをキープすることは至難の業です。

都市部の道路には至るところに信号があります。地方の山村には平坦な道はほとんどありません。また、あなたの前にフラフラと現れるママチャリダーは日本全国どこにでもいます。

そういった道路事情を考えると、メーターを見た瞬間は快調に飛ばせているように見えても、「平均」を取ればせいぜい時速10km~15kmだったりすることが決して珍しくありません。

さらに言えば、観光や天候の変化、マシントラブルといった「足を止める」要素はいくらでもあります。それを考え始めると、1時間に走ることができる距離は10km程度に見積もっておいたほうが現実的です。

ここでちょっと、いささか「あまりにも」な例ですが、簡単なシミュレーションしてみましょう。

<朝>

7時に起床したが、朝食をとって走る準備ができたらすでに9時。時速20kmで10時間走る予定だったが、8時間で頑張ると心に誓う。

<午前11時>

有名なパワースポットになっているというお城を見て回る。気がつけば、済し崩しにお昼をかねて2時間近くの大休憩。

<午後2時>

再び走り出すも、暑さと断続的なアップダウンのために消耗して思うように進まず。コンビ二を見つけるたびに小休憩。

<午後6時>

予定の半分ほど走ったところで日没。ホテルに遅くなる旨を連絡してナイトランを覚悟。

自転車旅行では、このようなことが至るところで起こり得ます。天候は決して悪くなく、マシントラブルも起こらない、そんな状況であってもです。

この現実を考えると、1日に走ることができる時間というのは、自ずと決まってきます。特に初心者が宿泊を伴う自転車旅行をするときは、平均時速10kmで多くても10時間。つまり1日100kmまで、くらいに考えておきましょう。

1日の走行予定が100kmであれば、多少後れてもリカバリーが利きます。70km走ったところで日が暮れてしまっても、残りは30km。余計なことをしなければ目標まで辿り着ける距離です。もちろんそうなると、翌日のスケジュールは要検討ですが……。

とはいえ、抜かれたと思ったら数十秒であなたをチギッていくような超速ライダーを目の当たりにしてしまうと、うらやましいやら悔しいやら……。ついついムリな目標を立ててしまいがちです。

でも彼らは、たとえばレースのためのトレーニングなど、あなたとは違う目的で走っているんです。せっかくの自転車旅行なんですから、現実的な目標を立てて、楽しみながら走りたいものです。

ストリートビューを有効活用!ルート選びのコツ

目的地が決まったら、次はルート選びです。実際に走るルートが決まってくると旅行が一気に現実味を帯びてきて、楽しみになるものです。

ただ、見知らぬところを走るわけですから、少しでも自分が走るルートを理解しておくことは大切。子どものころに行った修学旅行や自然教室も、先生たちが「下見」をしていたでしょう?目的地どんなところか、どんな危険があるか、計画通りに行動できるか……。学校の先生たちは下見でそんなことを調べていました。

自転車旅行ではその場に行くこと自体が本番ですから、事前の下見はできません。でもgoogle mapのストリートビューを使えば、実際に走るルートを見ることができます。ストリートビューを有効に使いましょう!

google mapでルートを設定すると、基本的に右左折の少ない、走行距離も最短で簡単なものが表示されます。ただ、これは理論的な話であって、必ずしもあなたのレベルに合ったものではないし、場合によっては危険なコースだったりもします。

そこでストリートビューの出番です。ルート上の気になる部分を右クリックをして『この場所について』を選択すると、ストリートビューが使えるようになります。以下の点を確認してみましょう。

①確認すべき「ポイント」

・上り下りの勾配

地図だけでは上り下りの勾配はなかなか掴めません。まっ平らに見えている場所でも、ストリートビューで確認したら「実は森の中の細いゲキ坂でした」というようなことはよくあります。

・交通量

ストリートビューは、交通量が少ない時間帯に、カメラ搭載の自動車で道を撮影して作られています。たくさん自動車が写っているということは、あなたが走る時、それだけ交通量が多い事を表します。

また、写っている自動車の種類も確認しましょう。乗用車であれば、まず問題はありませんが、大型車がたくさん写っている場合、実際に走るとき、あなたのすぐとなりをそのタイヤが走ることになります。

・歩道の有無

走行中、ちょっとした休憩や補給をするのに、退避場所にできる歩道があるととても便利です。自転車を降りた瞬間からあなたは「歩行者」ですから、自転車を押して車道を歩くことはできません。そのため、細い道では特に「歩道があるか」は要チェックです。

・コンビニの有無

自転車旅行の給水や補給は、コンビニで行う事が多くなります。前後10kmコンビニがないという場所は、国内にはそうそうありませんが、峠となるとそうはいきません。峠を攻める直前の補給ポイントになるコンビニは、ぜひ確認しましょう。

②確認すべき「場所」

・細かく右左折がある場所

一本道をひたすら走るのであれば問題ありませんが、時には住宅街を細かく右左折しながら抜けて行くこともあります。こういう場所はうっかりルートをロストする原因になりやすいため、よく確認しておきましょう。

・別の道へシフトする場所

例えば「国道○○号から□□号にシフトする」というような場所。信号の名前を覚えておくと走るときに参考にできます。また、うっかりルートをロストしても、歩いている人に「○○の信号はどこですか?」と聞くことでもとのルートに戻れます。

・峠道

峠道は勾配がキツく、また休憩場所になるところも少ないので万全を期して挑む必要があります。勾配や休憩場所だけでなく、頂上までの走行距離や路面状況も確認しましょう。

これらのことをストリートビューで確認し「イヤだな」と思う場所があればルートを変更します。表示されているルート上の点を別の道にドラッグするだけなので簡単です。あなたのレベルにあった、分かりやすいルートを、ぜひ見つけて下さい!


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ラクに走れる姿勢が一番!自転車旅行のためのセッティング術

今回は自転車旅行のためのポジションについて考えます。工具はスパナとアーレンキー(L字型の六角棒)のみ。誰でもできる簡単な調整です!

普段乗りの買い物チャリ、どんなセッティングになっていますか?

足が着くようにサドルを下げている。BMXのようにサドルの前が上がっている。懐かしい「カマキリ」のようにハンドルを上げている……。

これらは自転車旅行にはどれも不向き。パワーロスや足腰への負担が大きく、ケガや身体の故障につながりかねません。

そこで試したいのが「三点調整」という方法。

ここで言う「三点」というのは手足とお尻。つまり車体と身体が触れる所。この三点に関係があるハンドル・ペダル・サドルの位置関係を調整することで、格段に「走れる」自転車になります。

①サドルの高さは脚の長さに合わせて!

まずはサドルの高さ。ここは脚の長さに合わせて調整します。見た目の印象がガラッと変わる、やりがいのある部分です!

街に溢れるチャリを見ると、サドルは下げておくのが一般的なようです。たしかに低重心で倒れにくく、足が地面に付くことで、停車中も簡単に支えられて安心。

でも、これでは脚を始終曲げたまま回すため、パワーロスが大きくなります。また力が身体の重心からズレた方向に向くため、うまくペダルに力が伝わりません。

そこで、サドルを少し高くしてみましょう。踏み込んだ時に脚がちょうど伸びる高さ。これによって力の向きが重心から真っ直ぐ外に向く形になり、力が最後までしっかりペダルに伝わるようになります。

②サドル角度は水平が基本!

次にサドル角度です。変化は地味ですが、一番「走り」に影響する部分。納得いくまでじっくり調整したい所。

サドルの前を上げると、重心が後ろに移って座り心地は安定しますが、上半身が後ろに逃げて踏み込みに力が入りません。また上体が起き易くなるので、ハンドルが遠い印象になります。

逆に後ろを上げると重心が前に移り、前のめりな感覚になります。それを踏み込みに活かせればいいですが、大抵の場合、手でハンドルを突っ張ってしまい手の負担が増すことに。

理想は上体が起きず且つ前に倒れない位置です。そのため基本は水平ですが、実際はサドルや身体のクセによって変わってきます。調整して家の周りを少し走って、また調整して……、根気の要る作業ですが、ここが一番大事!

サドルは前後にも調整できます。ただ極端に偏ったセッティングは、パーツやフレームを傷めるので、なるべくセンターをキープ。

③ハンドルは握りやすい位置にあることが大切!

ハンドルはステムの高さとバーの取り付け角で調整します。ハンドルを下げると踏み込む力は増しますが手の負担も増えます。逆に上げると手の負担が減ってラクになりますが踏み込みの力が逃げやすくなります。負担が少なく握りやすいポジションを探しましょう。

この三点調整はアッチをいじればコッチが狂って……、の繰り返しで、なかなかすぐには決まりません。それでも、一度「楽に長距離を走れるポジション」が出てしまえば、旅行中の疲れや故障のリスクはグッと減ります。それ自体を楽しみつつ、気長に取り組みましょう。

最後に三点調整の3つ目、ペダルについて。普段から使っていない人にビンディングペダルはお勧めしません。引き脚が使えて登坂の救世主になるというビンディングも、慣れていないと引き脚自体が使えず、単に足をペダルに固定するだけになってしまうからです。

自転車旅行はレースではありません。登坂がキツければ降りて歩けばいいし、立ち止まりたくなる瞬間もあります。それを考えるとビンディングの使用は、ジャマになってしまう事の方が多いんです。

どんな自転車がいいの?自転車旅行向けのバイク探し

自転車といってもロードバイクやマウンテンバイクからママチャリ、リカンベントや折りたたみ小径車まで色々あります。そしてそれぞれに特長や強み、弱点があるのもまた事実。今回は、自転車旅行をするために最適な自転車をチェックしてみましょう。

①オールラウンダーはやっぱりクロスバイク

スピード重視ならロードバイク、未舗装地をガシガシ走りたいならマウンテンバイク。その間のオールラウンダーがクロスバイクです。ストレートハンドルがデフォルトで乗りやすさ重視。気軽に旅行を楽しみたいあなた向けの自転車です。

どっちつかずな感じはどうしても否めませんが、荷物をたくさん積んでも耐えられる頑丈さと、時速30km程度のスピードを出せる軽快さ、アップライトな乗車姿勢で視界が広いのも魅力です。

またコスト面もクロスバイクは魅力的。スポーツ車とシティサイクルの中間に位置するため、お値段も100,000円前後でイケてるデザインのものが手に入ります。

同時に、荷台を取り付けることを前提にデザインされているものが多く拡張性も十分。長距離の旅行で荷物が多くなっても安心です。

②スピード重視!一気に走れるロードバイク

ロードレース専用の自転車がロードバイクです。特徴的なドロップハンドルや軽い車体、細いタイヤなど、すべては「速く走る」ための装備です。一気に長距離を走りたいあなたに向いています。脚次第で一日に150km~200km走ることも可能です。

一度乗ってしまえば抜け出せなくなる魅力を持っていますが少々お値段が高め。安くても200,000円は当たり前。各メーカーとも速く走れるように、1gでも軽くなるよう心血を注いでいるためです。それゆえに乗り慣れれば時速30km~40km、いやそれ以上で巡航することも可能になります。

ただしスピードが高くなればなるほど停車には時間がかかります。事故が多いのもやはりロードバイク。ブレーキ操作はお早めに。

③道なき道を突き進め!マウンテンバイクの踏破性

マウンテンバイクは本来ダウンヒルのような「道なき道」を進むために考案された自転車です。下ることを主眼に設計されているため重量は重く、ロードバイクが7kg~11kg程度であるのに対しマウンテンバイクは14kg~18kgにもなります。

反面、荒っぽい運転がデフォルトなため、ちょっとやそっとの衝撃にはへこたれない頑丈さを備えています。特にダブルサスペンションを装備しているものは地面からの衝撃をほとんど吸収してくれて、踏破性はバツグン!

自転車旅行の行程に余裕があって、コースの中に未舗装地が多い場合はオススメの一台です。

④車体はそのまま、部品交換でカスタマイズ!

スポーツ車のありがたいことは、ほとんどのパーツがバラ売りされていること。自転車旅行での乗り方に合わせて、マシンをカスタマイズすることが可能です。

例えばあなたがマウンテンバイクを持っていて、ルートが舗装地ばかりだった場合。太いブロックタイヤは路面抵抗が大きくまた重量もかさみます。しかし3,000円程度の投資でスリックタイヤが手に入れば、走りやすさはグッとアップします。

ステムを換える、タイヤを換える……、そんなちょっとしたことで自転車は乗り味はガラッと変わります。旅行のスケジュールと装備の情報を自転車屋さんに伝え、ぜひカスタマイズの相談をしてみましょう。

今回挙げた自転車は、基本に則ったシンプルな構造なものばかりです。複雑すぎると整備性に欠けるため、自転車旅行には「自分でいじれる」ものがベスト。その中にも色々な種類がありますからショップの方と相談しながらベストな一台を探してみてくださいね。