屋外を走る以上、自転車旅行中の天候の変化は避けられないもの。でも「雨が降るかもしれない」なんていう小さな理由で旅行を断念するのはもったいない。対応を覚えておくことで、天候の変化というトラブルも、イベントに変えられます!

雨で一番怖いのは低体温症。人間は体温がおよそ36℃の時に最も活動しやすいようにできています。そのため風邪などで発熱すると、たった1℃や2℃の体温変化で、パフォーマンスは急激に下がります。これは体温が下がった時も全く同じです。

自転車で始終運動しているわけですから、短時間の雨であれば心配いりません。ホメオスタシスといって、末端(手足)の温度が下がると体幹の温度を上げて体温を保つという機能がもともと私たちには備わっています。

怖いのは長雨などでその機能を超えるような寒さにさらされてしまったとき。体幹温度が35℃(平熱マイナス1℃)を下回るような状態になると、身体が震え出します。これは筋肉を動かすことで発熱を促す反応で、ホメオスタシスの限界を超えていることを意味します。

こうなると集中力が切れたり自転車をうまく操れなくなったりして転倒や事故の危険がありますから、一度雨宿りをして体温を上げ直す必要があります。

とはいえ基本は「濡らさない、冷やさない」です。装備に雨具があれば、ムシムシしてイヤですがぜひ使いましょう。

雨への対応は「濡らさない、冷やさない」。もう少し付け加えれば濡れて滑りやすいマンホールのフタなどを避けるくらいで対応できます。自転車旅行中、一番怖い天候の変化は雨よりも雷です。

幸い日本の国土は起伏に富んでおり、また殆どの平野部には送電線や避雷針を設置した建物があるため、落雷の直撃を受けることは稀です。でも、ゼロではありませんし、直撃でなかったとしても感電、転倒することは十分に起こり得ます。

雷がなぜ怖いのかというと、あなたがその場所にいる限り避けることができず、また予兆が全くないからです。また落雷が直撃した場合、死亡することもあります。そうでなかったとしても旅行の継続はまず不可能になります。

走行中に空が光り始めたら、音が鳴るまでの時間を計りましょう。気温や湿度によって多少の変化はありますが、音ほ速さは秒速340mほどです。つまり光ってから3秒で約1km。

雷を発生させる雷雲(積乱雲)の底面は上空2000mほどですから、光ってから6秒以内に音が聞こえ始めるという場合、すでにあなたはその雲の下に入ってしまっています。決して冗談ではなく本当に、次の避雷針はあなたかもしれません。

そんな状況に陥ってしまった場合はどうしたらいいでしょうか?

まずは今いる場所の危険度を確認しましょう。立った状態で手を45°の高さに伸ばし、そのままクルッとその場で一回転します。100m以内の場所にその指先より高く見える建物や木があれば、とりあえずひと安心。そのまま走って早めに遣り過ごせる場所を探しましょう。

指先より高く見えるものがない場合は一刻の猶予もありません。すぐに近くの建物に飛び込みます。公園のトイレなどでもかまいません。

河川敷のような、逃げ込む場所すら全くない場合。

木の下にいると危ないという話はよく聞きますね。これは木に落ちた雷が「側撃」といって、他の物や人体に飛び火するためです。

ところが側撃を避けられる3mほどの距離があれば、木の近くにいても問題はありません。ただし、しゃがみこんだりして姿勢を低く保ち、その木が45°以上に見えるようにしておきましょう。

雷に「絶対」はありません。音が鳴り始めたら、速やかにコンビニなどに避難しましょう。その場にいないのが一番の対応です。