近年、自転車の事故で裁判所が高額の賠償を命じる判決が出ることが増えています。特に事故の相手が歩行者の場合、賠償額が数千万円にもなることも珍しくありません。
自転車も自動車と同じ「車両」ですから、図らずも事故を起こしてしまうリスクは当然あります。また自転車が軽いからと言って、相手に後遺症が残ってしまうことがないとも言えません。
そんな事態になってしまったら、自転車どころかあなたの人生そのものがひっくり返ってしまいます。今回はそんな時に頼りになる、自転車保険についてのお話です。
①なぜ自転車保険が必要か
加害者になってしまうと高額な賠償を命じられるケースが増えている、ということは一番はじめに書きましたが、それ以外にも保険に入っておいた方が良い理由はいくつかあります。
・何が「過失」になるか分からない
走行中にスマホやナビを操作していた。これははっきり過失だと分かります。
では、下がったゴーグルを直すために一瞬片手運転になった。これは過失でしょうか？
実際に、片手運転が原因の事故で5000万円以上の賠償を命じた判例があります。
自転車旅行では、あなたは自転車の上で「食事」「給水」から「観光」まで、色々なことをしています。それらが自転車乗りであれば当然なことであっても、その結果事故に巻き込まれた人から見てみれば、すべて「危険な行為」です。
・歩行者には勝てない
自転車で走っていると、脇道から子どもが飛び出してきたりお年寄りがフラフラとあなたの前に出てきたりすることは、多々あります。
地域や学校で実施されている交通安全教室では、自動車やバイクに気を付けることが毎回注意喚起されています。しかし、自転車はほとんど注意喚起されま
せん。そのため世間では、自転車は「時速10～15kmで走るもの、私が歩いていたらすぐに止まってくれるもの」と認識されています。自転車旅行であなたが時速25kmで走っていること自体、世間的には「危険な行為」なのです。
あなたの自転車が時速25km、歩行者は時速5km。歩行者側に急に飛び出したなどの過失があっても、「強者」はあなた。自転車は何をしても路上で一番の「弱者」である歩行者にはまず勝てないのです。矛盾したような表現ですが、あなたは「もらい事故の加害者」になってしまうんです。
②自転車保険の選び方
保険加入の必要性は十分理解してもらえたと思いますが、実際に入ろうとすると、その複雑さに驚かされると思います。そこで、保険を選ぶポイントを簡単にご紹介します。これを基準に選んでいけば、問題なくあなたに合った保険が選べるはずです。
・一番大事！「対人賠償金額」
せっかく入った保険の対人賠償の金額が少なくては意味がありません。商品によっては、あなたのケガは手厚く補償してくれても相手への補償が十分でない場合があります。
・これも大事！「示談交渉サービス」
自転車旅行では遠くへ行くことが前提であり、また、あなたは法律の専門家ではありません。遠方まで何度も示談に行ったり、相手から言われるままに交渉を進めては大変なことになってしまいます。保険のプロに頼った方がいいところです。
・入院・手術、後遺症への補償は？
これはあなた自身への補償です。痛い思いをするだけであれば「いい薬」ですが、それが一生涯続いてしまっては堪りません。
・保険料は？
おおよそ年間5000円程度が一般的です。受けられる補償とのバランスを考えて保険を選びましょう。
いかがでしょうか？自転車保険はあなたが楽しく快適に自転車旅行を行うためにあるものです。あなたの人生を台無しにしないために、ぜひ、加入を検討してみて下さいね。
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