「コースも決まったし装備の準備もできた。後はユメに向かって漕ぎ出すだけ!」……そう思っているあなた、ちょっと待った!
いざ走り始めてしまったら、手元に持っているものだけがあなたの全財産。クツが合わないとか、荷物が重いとか、セッティングがイマイチとか、そういったことへの対応は、大きく制限されてしまいます。
初心者であれば、大量の電池や工具箱など「実は不要なもの」をバックパックに入れていて荷物が重い、というようなことは特によくあること。ぜひ一度、短距離の予行演習を行って、装備の具合を確認しましょう。
予行演習の走行距離は50km程度がいいでしょう。隣の市まで行ってくるとか、そのレベルです。走り慣れた道、夜間の車通り・人通りが少ない時間帯で大丈夫。もしこの条件で何か問題があるとすれば、実際に自転車旅行に出たとき、それは必ずトラブルのもとになります。
予行で走る時にチェックしたいのは以下のとおり。
・荷物の重量は適切か
50km程度の走行でバテてしまうようであれば、バックパックに入れた荷物が重すぎます。衣類は下着類など最低限に。また食品や給水用の飲み物など「現地調達が可能な物」は置いて行きましょう。
・荷物の重量バランスは適切か
体幹に対して左右均等に重さがかかるようにするのは基本ですが、重い物が上に偏っても下に偏っても、背中や腰への負担になります。普段疲れないところに疲れが出る場合は見直しを。
・ペダリングやハンドリングに影響するものはないか
バックパックのストラップや空気入れのチューブなど、ペダリングやハンドリングのたびに脚や腕に当たるものがあると、気になって思うような走りができません。ストラップがブラブラしているような場合はテープや糸で固定してしまいましょう。
・スムーズなペダリングができるセッティングか
何も背負っていない場合とバックパックがある場合では、身体にかかる重量のバランスが変わります。バックパックを背負った結果、手が痛くなるようであれば、少しハンドルを上げるなどの対処が必要です。
・車輪の回転に巻き込まれそうなものはないか
シフトワイヤーのような、車輪の回転部に近い位置にあるものが振動などで回転に巻き込まれると、車輪がロックして故障や転倒、事故につながります。ショップで調整する必要があります。
・可動部にガタの出ているところはないか
普段は気にならないレベルでも、荷物の重量が増すことでベアリング部のガタつき気付くこともあります。これもショップでの調整が必要です。
・ブレーキ、シフトはしっかり機能するか
普段より重い分、ブレーキは早めにかける必要があります。それでも利きが悪ければ当たり位置の調整をしましょう。
・ライトや撮影機材はしっかり機能するか
ライトがしっかり点灯するのは言うに及ばず、意外な盲点は車載動画を撮るためのスイッチです。停車しないと押せないような場合は見直しが必要です。また、走ってみると案外ライトやカメラがガタつくことがあります。増し締めの必要があるかもしれません。
このような点を中心にチェックしましょう。その結果を踏まえて行きつけの自転車屋さんに相談すれば、適切なアドバイスや調整をしてもらえるはずです。
また、ウエアの着心地や靴の履き心地なども見ておいた方がいいです。特にウエアは化繊のものが多いため、長時間着ているとチクチクして痒くことがあります。
いかがでしょうか?特に経験の少ない自転車旅行初心者は、この予行演習を大切にしたいものです。繰り返しになりますが、走り始めてから困っても後の祭りです。不安要素を全て解決してから出発しましょう!