なんでわざわざ「自転車」で旅行するの?

よく聞かれる質問です。「クルマ持ってるんだから、それで行ったらいいじゃん。なんでわざわざ自転車で旅行なの?」。そんな方々にお話ししたい「自転車旅行の魅力」は大きく4つあります。

1つは何といっても「自由」。2つ目は「走ること=目的」であること。そして自転車旅行はあなただけの「オリジナル」な体験ということ。あと1つは「当事者」であること。

一番の魅力は「自由」であることです。自転車旅行に煩わしいスケジュールはダイヤは存在しません。走りたいときは思いっきり走って、いい景色に巡り合えば立ち止まって写真を一枚。疲れたらコンビニのベンチで休憩・仮眠を取ることだってできます。

他の旅行では「行った先で何をするか」が目的であり、目的地までの行程は単に「移動時間」でしかありません。しかし自転車旅行は走ることが目的です。

走っていると色々なことが起きます。思わぬ出会いがあったり、メカトラブルに四苦八苦したり。それらを解決して楽しんでいるだけで旅行の思い出はもうお腹いっぱい!だから観光地や名勝が目的地でなくてもぜんぜん苦になりません。

他の旅行では「○○に行ってきた」と旅の思い出を語ることになります。でも自転車旅行は「○○まで『自転車で』行ってきた」。観光地へは誰でも行けますが、あなたの自転車旅行はあなた以外になし得ません。周囲の喰いつきも違いますよ!

自転車に窓ガラスはありません。自動車にしろ電車にしろ、窓ガラスに仕切られた空間の中にいては感じることのできない風、匂い、熱気……、そういったものに自転車は触れられます。この意味で自転車旅行は行く先々で観ているだけの「傍観者」ではなくその場にいる「当事者」になれます。

自転車旅行は決して難しいことではありません!

ここまで、自転車旅行の魅力についてあれこれ書いてきましたが、いざ、実際に走るとなると、何が必要なのか、ちゃんと走れるのか、自転車が壊れたらどうしよう……などなど、どうしてもあなたの中に不安要素はあるでしょう。

でも大丈夫!少しでもあなたの不安の解消に手が届くように、当ブログの中に解決法やアドバイスを満載しました!

例えば、自転車旅行に必要な装備。全てを背負って走るわけですから、軽いに越したことはありません。数日の自転車旅行を想定して必要と思われる最低限の装備をリストアップしています。

また普段から走っている人でない限り、筋肉痛や身体の故障も心配ですよね?もちろんそれも対応しています。宿泊先でのマッサージの方法などもピックアップしています。

自転車旅行というと大変そうでシリ込みしてしまうかもしれません。でも、普段電車で行くところに今日は自転車で行ってみた、これだって立派な自転車旅行ですし、夏休みを丸々使って日本を一周してしまう猛者だっています。

自分のレベルや使える時間に併せて、あなた自身の自転車旅行を組み立てればいいわけです。だから「旅行」といってカタヒジ張る必要なんてありません。

ぜひ、自由であなたにしかなし得ない、そんな楽しい自転車旅行を、今年こそは始めてみましょう!

気付かないうちに迷惑をかけないために。観光スポットでのマナー

行く先々での観光は、自転車旅行の面白さの一つ。しかも、そこまで自分の足だけで辿り着いたわけですからよりいっそう楽しい!

でも、自転車乗りというのは、気が付かないうちに周囲に迷惑をかけていることが多々あります。今回は観光スポットでのマナーについて考えてみたいと思います。自転車で旅行する以上当たり前の、これだけは最低でも守ってほしいものをピックアップしました。

・人の多い場所ではバイクを降りる

これはもう当たり前中の当たり前。自転車は軽く見積もっても10kg、装備とあなたの重量を合計したら80kgくらいになることもあります。歩くような速度で走っていても通行人にぶつかれば、相手を突き倒すくらいの衝撃は与えてしまいます。

もちろんこれは交通事故です。場合によっては有罪判決、賠償請求を受けることも起こり得ます。観光スポットなど人が多いところでは、必ず自転車を降りましょう。

・スタンドなどで「自立できる」自転車にしておく

ダサい。恥ずかしい。カッコ悪い。きっと反対の声がたくさん上がると思います。でも、なんとなく自転車を立てかけたその土塀が重要文化財だったりすることは観光地ではよくあります。特に奈良や京都、静岡の三保の松原など、寺社の敷地、街並そのものが世界遺産になっているようなところもあるんです。

立てかける必要のない自転車レースにスタンドはいりません。でも、スタンドを付けない自転車旅行は、そのバイク自体が迷惑をかける存在になってしまいます。ぜひスタンドを付けて、自転車が自立できるようにしておきましょう。

・自転車を押して歩き回らない

自転車というのは案外大きなものです。人が多い所で自転車を押して歩き回ることは、ぶつかったり、ハンドルに引っかかったりと、他の人への迷惑になります。そのスポットに入る前に駐輪場を見つけて自転車の安全を確保してから、思う存分楽しみましょう。

・歩ける靴を用意しておく

自転車のペダルに靴を固定するビンディングシューズ。引き足も使えて大変便利なのですが、つま先や足の裏に「クリート」という金具が付いています。これは鍛鉄などでできており、床材を簡単に傷つけるほどの強度を持っています。

そんなものを履いたまま土産物店や飲食店に入ったりしたら、歩き回ったところにクリートの跡が付いてしまいますね。お店の方にとって、こんな迷惑な話はありません。ぜひ、歩き回っても迷惑にならない靴を一足用意しましょう。

・ヘルメットは外す

意外な盲点なのはヘルメットです。最近は、日本のメーカーでもスパルタンなデザインが増えており、カッコよくなってきましたね。でも人混みではあなたが首を動かすたびに後頭部のトゲトゲが周囲の人の顔の近くに行くことになります。ゴーグルのせいで強面に見えてしまう事も手伝って意外と怖いものです。

また、ヘルメットは意外に大きなものです。頭頂部の厚さは5cmほどあります。そうなると、普段は当たり前にくぐれていたところにヘルメットをぶつけたりすることが多々あり、お店の商品や歴史的価値のある建物などを傷つけかねません。

乗らない時は、必ずヘルメットは外しましょう。

いかがでしょうか?自転車乗りが白い目で見られてしまうのは、ここに挙げたような、普段なら何も考えずにできるはずの気配りが、自転車と一緒にいることでできなくなってしまう事に理由があります。

要は、自転車を降りたら普通の歩行者と同じように振る舞えばいいだけの話なのですが、どこかを面倒くさがると、気付かないうちに迷惑をかけてしまいます。周囲に気を使える旅行者でありたいものです。

明日の活力のために。「リアルタイム旅行記」のススメ

今回は、「孤独」への対処法についてご紹介します。

行く先々での人との出会いは旅行の楽しみの一つですが、自転車旅行は移動そのものが旅行なので、案外、黙々とペダルを回している時間が長くなります。

自転車仲間と楽しくツーリングするのであれば気にも留めない話かもしれませんが、一人で自転車を走らせていると、時々フッと「孤独」を感じることがあります。

そもそもサイクリング自体、レースでもない限り孤独なスポーツであることは否めませんが、特に人通りの少ない朝夕の静かな山道を走る時などは、人恋しさも増してしまうもの。でも、それは人間が社会的動物であることの顕れですから、別に恥ずかしい事ではありません。

①SNSに書き込みをしてみよう!

そんな時、最も簡単でオススメなのが、SNSなどを利用した「リアルタイム旅行記」です。携帯電話やスマホから、facebookのタイムラインやMixiの日記に、どこまで進んだか、天候はどうか、バイクや身体の調子はどうかなどを書き込んでみましょう。

友達が「いいね!」を押してくれたり、コメントを書いてくれたりすると、寂しいときには本当にありがたいもの。「いいね!」の言葉はそのまま「Alle!(行けッ!)」に見えてきます。これだけで「明日も頑張ろう!」と思えるから不思議です。

とはいえ、一日中休憩のたびに書き込みをしていたのでは、読む側も大変です。頻繁に書き込みお知らせが届いては新鮮味がなくなって飽きてしまいます。だから、日中は走ることに集中して、宿泊場所についてから一日の行動を振り返り、一番ネタとして面白かったことを書き込みましょう!

②ネットに動画や文章を上げてみよう!

また、ブログやYouTubeなどにまとまった文章や動画を上げることもオススメです。走っている間に見つけた「ちょっといい風景」や「ネタになりそうな珍事」はぜひスマホの動画機能で撮っておきましょう。

編集にはスマホの動画編集アプリを使います。パソコンでの使用を前提にしたソフトのように細やかな機能や大きな保存容量(長い再生時間)はありませんが、無料のアプリでも字幕やフィルタを使ったハイクオリティな動画を簡単に作ることができます。

とはいえ、編集には慣れていてもそれなりの時間がかかります。編集そのものも楽しい作業ですから、スマホの充電が可能な場所で身体を休めつつ、気長にやりましょう。

今回は孤独への対処ということでお話ししていますが、SNSの書き込みや動画・ブログのアップは、もう一つ大切な役割を持っています。それは「あなた自身の安否の確認」です。

自分の身体一つと自転車一台に全責任を背負わせて行う自転車旅行は、やっている本人には楽しい遊びなのですが、他の人にとっては「キケンな行為」と映ることが多いです。

特に家族や友人などは「今日はアイツ、ちゃんと目的地まで走れたのかな?」と心配していることがほとんど。だからこそSNSなどで安否の情報が入ってくるのは嬉しいものなんです。

ここで紹介した「寂しさ対策」は、寂しくない人にとっては全く不要です。でも、何もしなかったとしても、「心配している人がいる」ということは忘れず、家族など、親しい人にはぜひ「旅行が順調に進んでいることを伝える連絡」は必ず入れましょう。

明日も気持ちよく走るために!自分でできるボディメンテナンス法

一日走り終えると、その達成感や疲労、また目的地まで辿り着けた安心感からついつい怠ってしまうボディメンテナンス。でもこれを怠ると翌日自転車にまたがった瞬間に脚に激痛が走ったり、走り始めてすぐに筋肉疲労でバテてしまったりとロクなことになりません。

明日もベストなコンディションで走り出すために、今日一日頑張った身体の労わり方をご紹介します。

一番先にしなければならないことは「脚から疲労物質を抜く」作業です。具体的にはマッサージ。特にペダリングで一番酷使されるふくらはぎと腿の筋肉は、たくさんの乳酸(疲労物質)をため込んでいます。宿泊場所に着いたら、なるべく早くケアしてあげましょう。

方法は脚のむくみを取るリンパマッサージの方法とほぼ同じで、簡単です。クリームを塗ったら、親指と人差し指を使って筋肉を挟み、その方向に合わせて揉みほぐしていきます。

乳酸を分解させるためになるべくそれを太い血管に送ってしまいたいので、末端(足の裏)から始めて徐々に体幹の方へ。慌ててやっても効果は薄いため、2~30分かけるつもりでじっくりと。これがポイント!

ひと通りマッサージが済んだら、続いてストレッチなど軽い運動をします。腱や筋をよく伸ばしておくことで翌日の凝りを減らせます。

次は入浴中に行うボディメンテナンス。「温冷浴」という方法です。

まず末端(手足)に冷水をかけて冷やします。芯まで冷えてきたら今度はちょっと熱めのお湯に浸かります。汗ばむ程度に温まったら、また冷やす。これを数回繰り返します。その度に血管が収縮・拡張を繰り返すため、ポンプの働きで血行がよくなり、細胞組織に溜まっていた乳酸が血液内に流れていきます。

ホテルのユニットバスでもできなくはないですが、面倒な場合は、湯船に浸かる代わりにシャワーを使うとラクにできます。ちなみに最後は「冷やす」で終わらせること。汗も引いてスッキリしますし、むくみの防止にも役立ちます。

最後は疲労を軽減するために摂りたい「食品」です。せっかくの旅行だから美味しい物を食べたい。もちろんそれはオッケーです。美味しい食事に一品プラスするつもりで考えて下さい。

疲労回復に一番効果があると言われているのは「クエン酸」。乳酸を分解する働きを持っています。

食品の酸味は、ほとんどがこのクエン酸によるもので、梅干しやレモン、お酢のほか、果物やジュースの中にもたくさん含まれています。世の中には走っている最中に梅干しを舐めているライダーもいるくらいです。そのくらいクエン酸は積極的に摂っておきたい食品です。

もう一つ摂っておきたいのが「タンパク質」。傷んだ筋肉組織の修復を助けます。積極的に食べようとしなくても口に入りやすい物ですが、意識的に摂っておいて損はありません。

糖質(炭水化物)については意見が分かれるところです。走り終えた直後に糖質を摂ると疲労が溜まらないという話はありますが、自転車旅行は基本的に糖質や電解質(ミネラル)を常に補給しながら行うため、ムリに摂ろうとしなくても身体に入ってきます。

また、摂取してもすぐに使わない場合は燃えづらい脂肪として蓄えられてしまうので、摂るならば翌日の朝食でと考えた方がベターです。

いかがだったでしょうか。今日の疲れを残さないこと、これが明日もまた楽しく走れるための一番のクスリです。

最後にアルコールについて少しだけお話ししておきます。一日に100kmも走ったら、その後はキリッと冷えたビールを、というのは誰でも考えつくもの。しかし、アルコールは利尿作用が高く飲んだ以上の水分や塩分を排出してしまいます。「ほろ酔いかな?」くらいに留めておきましょう。

危ないのは雨よりも雷!?天候変化への対応

屋外を走る以上、自転車旅行中の天候の変化は避けられないもの。でも「雨が降るかもしれない」なんていう小さな理由で旅行を断念するのはもったいない。対応を覚えておくことで、天候の変化というトラブルも、イベントに変えられます!

雨で一番怖いのは低体温症。人間は体温がおよそ36℃の時に最も活動しやすいようにできています。そのため風邪などで発熱すると、たった1℃や2℃の体温変化で、パフォーマンスは急激に下がります。これは体温が下がった時も全く同じです。

自転車で始終運動しているわけですから、短時間の雨であれば心配いりません。ホメオスタシスといって、末端(手足)の温度が下がると体幹の温度を上げて体温を保つという機能がもともと私たちには備わっています。

怖いのは長雨などでその機能を超えるような寒さにさらされてしまったとき。体幹温度が35℃(平熱マイナス1℃)を下回るような状態になると、身体が震え出します。これは筋肉を動かすことで発熱を促す反応で、ホメオスタシスの限界を超えていることを意味します。

こうなると集中力が切れたり自転車をうまく操れなくなったりして転倒や事故の危険がありますから、一度雨宿りをして体温を上げ直す必要があります。

とはいえ基本は「濡らさない、冷やさない」です。装備に雨具があれば、ムシムシしてイヤですがぜひ使いましょう。

雨への対応は「濡らさない、冷やさない」。もう少し付け加えれば濡れて滑りやすいマンホールのフタなどを避けるくらいで対応できます。自転車旅行中、一番怖い天候の変化は雨よりも雷です。

幸い日本の国土は起伏に富んでおり、また殆どの平野部には送電線や避雷針を設置した建物があるため、落雷の直撃を受けることは稀です。でも、ゼロではありませんし、直撃でなかったとしても感電、転倒することは十分に起こり得ます。

雷がなぜ怖いのかというと、あなたがその場所にいる限り避けることができず、また予兆が全くないからです。また落雷が直撃した場合、死亡することもあります。そうでなかったとしても旅行の継続はまず不可能になります。

走行中に空が光り始めたら、音が鳴るまでの時間を計りましょう。気温や湿度によって多少の変化はありますが、音ほ速さは秒速340mほどです。つまり光ってから3秒で約1km。

雷を発生させる雷雲(積乱雲)の底面は上空2000mほどですから、光ってから6秒以内に音が聞こえ始めるという場合、すでにあなたはその雲の下に入ってしまっています。決して冗談ではなく本当に、次の避雷針はあなたかもしれません。

そんな状況に陥ってしまった場合はどうしたらいいでしょうか?

まずは今いる場所の危険度を確認しましょう。立った状態で手を45°の高さに伸ばし、そのままクルッとその場で一回転します。100m以内の場所にその指先より高く見える建物や木があれば、とりあえずひと安心。そのまま走って早めに遣り過ごせる場所を探しましょう。

指先より高く見えるものがない場合は一刻の猶予もありません。すぐに近くの建物に飛び込みます。公園のトイレなどでもかまいません。

河川敷のような、逃げ込む場所すら全くない場合。

木の下にいると危ないという話はよく聞きますね。これは木に落ちた雷が「側撃」といって、他の物や人体に飛び火するためです。

ところが側撃を避けられる3mほどの距離があれば、木の近くにいても問題はありません。ただし、しゃがみこんだりして姿勢を低く保ち、その木が45°以上に見えるようにしておきましょう。

雷に「絶対」はありません。音が鳴り始めたら、速やかにコンビニなどに避難しましょう。その場にいないのが一番の対応です。